2022/9/06
【オリジナル作品 第2弾 -Viele glanz- by Lumion】Vol.3 演出について
今回のVol.3ではオリジナル作品第2弾、たくさんの輝きという意味をもつ「Viele glanz(フィーレグランツ)」を美しく、そしてかっこよく見せるためにこだわったことや苦労したことなどLumionでも演出に関する技術的な話を制作担当者に聞きながら紹介いたします。
美しく、かっこよく
演出について特に紹介したいこと(こだわったこと)は何ですか?
ただカメラが動いているだけで空間に変化がないと面白くないと思い、ロビーのシーンではライトが一つずつ点灯していって部屋がだんだん明るくなる、という演出をしています。
あとは網状のモニュメントの中で光源を移動させると影が伸びて面白くなるんじゃないかと思い、実験的にレンダリングしてみたら、思いのほかきれいになったのでこのシーンは入れる予定ではなかったんですが採用しました。
照明をたくさんいれて、一つずつライトが点灯するようにして、天井のモニュメントも光をモチーフにしてキラキラ・・・ってやってるうちにタイトルが「たくさんの輝き」になりました。
客室はロビーとは対照的にしっとりとした雰囲気なので派手な演出という演出はないのですが、強いてあげるなら外の添景にはこだわりましたかね。
都会の煌びやかな眺望を一望でき、逆から見ればこの空間も輝きの一部となるようなイメージですかね。
カメラワーク(シーンの順番とか)でこだわったことは何ですか?
とにかくマテリアルや演出にクローズアップしたシーンを多く切り出すことです。
マテリアル表現の精度などを強調したいのはもちろんですが、短くシーンを繋いだ後に全体をみせることでメリハリをつけ、テンポよく見る人に飽きがこないように意識しています。
被写界深度をいくつかのシーンで使用していますね、どういう狙いですか?
本来写真だと周りをぼかして被写体を強調させるとかって意味合いが強いと思うんです。
ただ前述したように短いシーンを多く切りだしていて、特に客室は派手な演出をしていないのでカメラワークだけ工夫しても面白味に欠けると感じて所々被写界深度を使用していますね。
最初から全てみせるのも粋じゃないというか真面目なイメージになってしまうので、リズムとか遊び心みたいな狙いがあります。
普段の業務では使用しないのでビジュアライゼーション特有な感じがしますね。
今回、偶然の発見なんですが、蛇口の先端にキラキラが出来ました。
恐らくですが、メタル系の反射係数の強いものに対して被写界深度でぼけるとキラキラします。
他にも今作品では複数個所に見られます。
偶然の副産物といえます。(被写界深度ON上、OFF:下)
他に紹介したい設定等があればお願いします。
Lumionのライトの中には影が落ちにくい(落ちない?)ライトがあったりして知らずに使っていると陰影のないのっぺりした画になってしまいます。
それがFillライトだったりエリアライトだったりします。
FillライトとOmnライトは一見似たような点光源ですが下図の通り影が落ちる、落ちないの大きな差があります。
Fillライトやエリアライトは間接光や補助光など用途をはっきりさせて使用することを推奨しますね。
・スタンドライトの網目から影がこぼれて雰囲気が出ています。
Omn ライトだけではやや暗く感じたので補助光としてFillライトも組み合わせています。(画像:上)
・こちらはFillライトのみのライティングスタンドライトの網目から影が出ていません。
のっぺりしてつまらない印象です。(画像:下)
・作品制作担当:関 、林(名古屋スタジオ 制作1G)
・Blog編集担当:横井(企画営業)
まとめ
今回は美しく、かっこよく見せる為の演出に関して制作過程で工夫したこと、こだわったことなど技術的な内容を深掘りして紹介しました。いかかでしたでしょうか。
実業務でのCGアニメーションは、シーンやルートをお客様が考えたもので制作することが多いですが今回の作品制作で得た知識を生かし、より美しく、よりかっこよく見せる演出などをCG制作会社として積極的に提案していきたいと思います。
次回Vol.4は作品紹介の最終回です。「Viele glanz」の制作を振り返ってLumionに関して良いところ、今後のバージョンアップで改善を希望する不満点など、いろいろな話を制作担当者に聞きながら紹介します。また、最終回ということで社長に今回の作品紹介の締めくくりとして一言お願いする予定です。
お楽しみに!
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岡田:東京オフィス(本社)(okada@aqua-c-lab.com/080-4582-7616)
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